第51章

「……ぷっ」

三村正明は表には出ずとも、最初から最後まで影で奥様を守り抜いていた。

そして今、とうとう堪えきれずに吹き出してしまう。

次の瞬間、大きな手が彼の肩にどん、と落ちた。軽く叩かれ、磁力のある低い声が耳朶を撫でる。

「チッ。そんなに面白いか?」

男は闇に半身を溶かし、輪郭だけが冷たく研ぎ澄まされている。雪のように白い肌、きゅっと結ばれた薄い唇。

清冽で孤高の眼差しは、万物を見下ろす帝王のそれ。傲慢で禁欲的で、触れてはならない気配を纏っていた。

背は高く、肩幅は広いのに腰は細い。スラックスの下の長い脚は、引き締まり、強靭さを隠しもしない。

三村正明の頭皮がぞわりと痺れた...

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